特に深刻なインフレーションは消費者の財布の紐を固くし、個人貯蓄率を2.6%にまで切り詰め、クレジットカードの残高が急増しています。コロナ禍初期に給付された政府の支援金により米国民は通常時以上に貯蓄が増え、この蓄え取り崩すことで2022年の間は消費を支えましたが、この貯蓄も枯渇してきており、この先には連邦政府から更なる援助は期待できそうにありません。
加えて、住宅ローンの利率は2022年の始めに比べると2倍以上に達し、住宅建築数、住宅販売数、住宅関連消費の低減に拍車をかけています。更に、2022年の間に外国通貨に対し約9%のドル高となりました。このドル高の為替レートの影響は国外経済の減速と重なり、米国外からの輸入を押し上げ、輸出が減少することになり、米国全体の経済成長の足を引っ張ることになっています。上記の米国経済への向い風により、実質GDP成長率は低くなり、2023年度の終わりまでに50%の確率でリセッションに入ると予想されています。